SDGsにより、児童労働への関心が広がっている。
今回は、国際労働機関(ILO)の世界労働者数の統計データから、児童労働が多い国について紹介し、私たちにできることを考えていく。
児童労働の多い国
国際労働機関(ILO)は、4年に一度、世界の労働者数の推移を発表している。
2021年6月に発表された統計によると、児童労働に従事する5~17歳の子どもは、全世界の子ども約9.6%にあたる1億6,000万人に上る。
2016年の統計から比較すると、特に5~11歳の児童労働者が大幅に増えている。児童労働が多いのは男の子で、女の子は主に家事手伝いに従事させられる。
児童労働が多い国をまとめると次のとおりだ。
サブサハラアフリカ 8,660万人(54.4%)
中央・南アジア 2,630万人(16.5%)
東・東南アジア 2,430万人(15.3%)
北アフリカ・西アジア 1,010万人(6.3%)
ラテンアメリカ・カリブ諸国 820万人(5.1%)
ヨーロッパ・北アメリカ 380万人(2.4%)
参照:ユニセフ
統計によると全世界の子ども10人に1人が児童労働に従事している。児童労働が多い国であるサハラ砂漠よりも南の地域での児童労働者数は8,660万人で、児童労働の過半数を占めている。
日本を含む高所得国にも160万人(1.0%)の児童労働者がおり、児童労働問題は存在している。
児童労働の原因
児童労働の原因は主に次の原因がある。
貧困
教育機会の欠如
児童労働を当然のように扱う地域社会
差別
武力紛争や自然災害
不適切な法律
最も児童労働が多いアフリカでは、紛争が多く起こり、政治が不安定だ。また人口増加などで、貧困から抜け出せない国も多い。
特に貧困国の農村部の貧困は深刻で、約90%が1日200円以下での生活を強いられているとも言われている。そのため、生計を維持するために子どもが労働力となっている。
私たちにできることは?児童労働問題に関心を持とう
児童労働に従事している子どもたちは、身体的にも精神的にも悪影響を受ける危険性がある。児童労働は子どもから教育の機会や権利を奪い、貧困と児童労働の負の世代間連鎖を招く。
児童労働の増加傾向を逆転させるために、ユニセフとILOは次のことを呼びかけている。
普遍的な児童手当を含む、すべての人に対する適切な社会保護
質の高い教育への支出を増やし、COVID-19以前から学校に通っていなかった子どもたちも含め、すべての子どもたちを学校に戻すこと
家族が子どもに家計を頼らなくても済むよう、おとなが適正な仕事につけるよう促進すること
児童労働に影響を与えるような有害なジェンダー規範や差別をなくすこと
引用元:ユニセフ
世界では、児童労働は大きな問題として取り扱われている。SDGsでは、世界が解決すべき問題として掲げられ、2025年までの撲滅を目指している。
子どもの当然の権利である教育の機会を与えることは、社会経済の発展を牽引する原動力にもなる。
まずは世界でまだまだ多く、日本にもある児童労働について関心を持ち、募金など身近にできる支援からはじめてみることが大切だ。
※こちらの記事を代表がYoutubeで解説しております。是非ご覧ください。
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